アライアンスによりソリューション提供範囲が拡大

2018年5月にトヨタ自動車株式会社と自動運転開発のデータ分析分野における業務提携を行い注目を集めた株式会社ALBERT(アルベルト)。同社は、ビッグデータ分析だけにとどまらずAI活用支援や機械学習などを活用した独自プロダクトも手掛けるなど、活躍の場を広げています。
そのALBERTとテクノプロ・デザイン社のアライアンスについて、執行役員データソリューション本部長の鈴木弥一郎氏にお話を伺いました。

―― まず、ALBERTがどういった会社なのかを教えていただけますでしょうか。

鈴木氏 ALBERTはAI活用コンサルティング、ビッグデータ分析、AIアルゴリズム構築とシステムの開発・運用、AIを用いた独自プロダクトのご提供などのデータソリューション事業を主軸としつつ、これまで培ったノウハウを活かしてデータサイエンティストの育成も手掛けています。

当社は2005年7月の設立以来、一貫してデータ分析やデータソリューションを手掛けてきた会社です。2005年はちょうどディープラーニングをキーワードとした第3世代AIブームの幕開けの年ですが、当時は統計モデリングができる会社が少なかった中でデータ分析を事業化した当社は業界の草分け的な存在だと思います。

他の領域に先駆けてデータ分析の重要性に着目したのがマーケティング領域だったこともあり、会社設立当初はマーケティング領域における引き合いが非常に多く、我々のビジネスの中心となっていました。その後、2015年の東証マザーズへの株式上場を契機に『分析力をコアとする、データソリューションカンパニー』という事業コンセプトを定め、AI実装を視野に入れた企業を中心に提案活動を推進し、併せて重点産業の絞り込みも行って現在に至ります。

その間、トヨタ自動車、東京海上日動火災保険、KDDI、三井住友フィナンシャルグループ、日本ユニシスなどをはじめ日本を代表する大手企業に対してデータソリューションサービスをご提供し、また協業や資本業務提携なども進めてきました。テクノプロさんとデータサイエンティスト派遣事業でアライアンスを結んだのは2017年ですね。


株式会社ALBERT 執行役員データソリューション本部長 鈴木 弥一郎氏

―― アライアンスで育成に取り組んでいるデータサイエンティストのことを中心に伺いたいのですが、データサイエンティストというのはどのようなことをする仕事なのでしょうか。

鈴木氏 データサイエンティストの仕事は非常に広範で、データを分析する環境の構築に始まり、分析と結果のビジュアル化、そしてデータの規則性から利益を創出するまでの提案まで幅広く手掛けます。データサイエンティストと聞くと「高度なIT技術者」というような印象をお持ちになるかもしれませんが、むしろ「ITスキルを備えたコンサルタント」と言った方がイメージしやすいかもしれませんね。

―― そうなるとデータサイエンティストにはかなり高い能力が要求されそうですが……。

鈴木氏 はい。統計解析の知識や高度な数理能力だけを持っていても優秀なデータサイエンティストとは言えません。もちろん、データベースやクラウドなどのIT知識は欠かせませんが、サービスを通してお客様企業に利益をもたらさなければ何の意味もないですから。私たちがお客様からご相談いただく課題は、お客様自身も正解を持っていない、抽象度が高いものが多いため、マーケティング知識やビジネスに関する深い理解も必要となります。

ただし、数理や統計のバックグラウンドは必要ではあるものの、何よりもまず重要なのは成果を導くための各手順に対してみずから主体的に取り組んでいける姿勢です。

コミュニケーションする姿勢、お客様の情報を把握しようとする姿勢、産業や企業を理解しようとする主体的な姿勢がテクニカルスキルを凌駕して、しっかりとした成果が出ることも往々にしてありますし、そういった姿勢を持っていればテクニカルスキルについてはすぐにキャッチアップできます。

先ほど「お客様も正解を持っていない」と申し上げましたが、ご相談いただいた段階では何をもって成果とすればよいのか、まだはっきりしていない状態です。ですから、作業を進める中で自分の考えた通りにデータを分析し、その結果を成果とすることも当然可能ですが、それが本当にお客様に納得いただける成果になっているのかについて考慮しなければいけません。あらかじめ想定された正解がないからこそ、お客様とコンセンサスを取りながら相手の立場になってプロジェクトを進める、そういった姿勢を持つことが大切です。

―― ALBERTではデータサイエンティストをどのように育成しているのかについて教えてください。

鈴木氏 育成対象となるエンジニアの方にはまず最初に、データハンドリングの仕事を担当してもらいます。データサイエンティストの仕事は「データ分析から規則性を見つけて、ビジネスに応用し利益を創出すること」ですので、統計解析や時系列解析などを通して規則性を見つける訓練を積むことは欠かせません。その上でロジカル思考やマーケティング知識、仮説検証などを学びながら、ビジネスへの応用力を身に付けていく、というステップを踏んでもらうことになります。

主体的な姿勢を持ちながら2年から3年、真剣に取り組みを続けられる方であれば、当社内でも「重要な戦力」と言われるほどのレベルまで成長することも決して珍しくないですね。

―― 実際にテクノプロとのアライアンスを通してどのようなメリットをお感じですか。

鈴木氏 もともと当社には、研究者だけの集団では本当の意味でお客様が満足するソリューションを提供することが難しい、という課題がありました。

自社の各データサイエンティスト個人の能力に頼る事業運営となっていた結果、お客様からのご相談に基づいて必要となるすべての工程を網羅して対応することができなかったのです。おのずと当社の担当領域が限定され、「ここまではお客様でお願いします」、あるいは「ここから先はお客様でお願いします」といった形になってしまい、断片的にしかソリューションを提供できないという側面があったことは否めません。

しかし、テクノプロさんとのアライアンスを通じてこれからデータサイエンティストを目指すエンジニアを受け入れて育成しつつ、多くの作業を分担してもらえる環境ができましたので、当社が抱えていた課題解決への糸口が見えてきました。

これまでお客様にお願いせざるを得なかった工程も含めて上流から下流まで業務を一括してお受けすることができるようになった結果、個の力だけに頼るのではなく、チームとしてアウトプットを出せる体制が整ったと言えます。

現在ではテクノプロさんの中にも上流工程を担当する多くの優秀なデータサイエンティストが育っていますが、今後もデータサイエンティストを目指す多くの方にお手伝いいただけるとのことですので、提供サービスの拡大といった面で大変心強く思っています。

今後もアライアンスの強化によってデータサイエンス業界をリードする存在となり、お客様により一層ご満足いただけるデータソリューションサービスをご提供していきたいと考えています。

企業プロフィール

社名 株式会社ALBERT
設立 2005年7月1日
事業内容
  • データソリューション事業
  • ・AI活用コンサルティング
  • ・ビッグデータ分析
  • ・AIアルゴリズム構築とシステム開発・運用
  • ・AIを用いた独自プロダクトの提供
  • ・データサイエンティストの育成支援
コンセプト 「分析力をコアとする、データソリューションカンパニー」
ウェブサイト https://www.albert2005.co.jp/

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