園部優太

テクノプロ・エンジニアリング社(以下「TPE」)水戸支店の園部 優太さんは、TPE 水戸支店で受託開発業務に携わっています。園部さんは、水戸支店が受託開発業務を開始するきっかけを作り、その後もチームのリーダーとしてお客様からの信頼を積み重ね、業務を拡大してきました。そんな園部さんに、受託業務がスタートした当時の経緯や、仕事をする上で大切にしていることなどをお聞きしました。                                                                   取材日:2014年2月19日

やりがいと責任が共存する受託の仕事

TPE水戸支店の受託開発業務をスタートさせたのは園部さんだとお聞きしましたが、経緯を少しお聞かせください。
園部さん
園部優太さん
テクノプロ・エンジニアリング社
水戸支店
園部優太さん

受託業務がスタートしたきっかけは、とにかく「良いお客様に巡り合えた」という一言に尽きます。
私も元々は現在受託の仕事をいただいているお客様の部署にエンジニアとして常駐する立場でした。
配属から3年位経過した頃だったと思いますが、リーマンショックなどの影響もあり各メーカーさんで正社員や派遣社員の割合や仕事内容、グループ会社や協力会社との仕事分担について盛んに検討される環境になってきたんです。私がいたお客様先でも、仕事の量や内容を基準にして発生する費用の見込みを予測できるメリットがあるという理由から、「受託や請負の活用比率を引き上げては?」というような議論がなされていました。そんな折、配属先の上司から「今の園部君のアウトプットなら、派遣で一つひとつ業務指示をしなくても請負の形式で仕事を任せられると思っているんだけど、やってもらえないかな?仕事をある程度まとめてお願いできれば社員の管理工数も削減できるし、うちにもメリットがあるんだよね」という話を持ちかけられたんです。
でも、その頃は経験もまだ3 年だけ…。声を掛けていただいた嬉しさはあった反面で、「まとまった仕事を引き受けて、品質と納期を担保しながら、お客様にご迷惑をお掛けせずにメンバーに上手に仕事をしてもらうことが今の自分に果たしてできるだろうか…?」という不安があったのも事実です。決して「…逃げ出したい!」と思った訳ではなく、当時は請負や受託についてまったく理解しておらず、『できる』『できない』を判断する材料すら持ち合わせていない状態だった、というのが適切な表現でしょうね。
ただ、お客様からは「最初の1年くらいはうちの中で仕事をしながら一緒にうまく行く方法を見つければいいよ!」というお言葉までいただきました。
私にとってもこんなにありがたい話はありません。さっそく支店長にも相談した上で請負や受託の勉強を始めたことをよく覚えています。
そんな形で受託開発をスタートさせ、今では15名ほどのメンバーと一緒に大きなトラブルもなく業務を進められています。非常にやりがいのある仕事に携われて幸せに思うと同時に、私を信頼して任せてくださったお客様に何とか恩返ししたい一心で責任感を持って仕事に取り組んでいます。

故障時の運転状態まで記録するECU

どのようなお仕事をされているか、可能な範囲で教えて下さい。

DLCの例(出典:Wikipedia
Author:Saitobesho
園部さん
私たちの仕事は、自動車の故障の種類を示す『DTC』(Diagnostic Trouble Code)というコードを読み取るために使われるスキャンツールを動作させるソフトの開発です。スキャンツールについて、というより車の修理に関する話が多くなりますが、DTCとは何かを少しお話します。
専門家の方からすると反論はあるかもしれませんが、昔の自動車修理のやり方を簡単に言ってしまうと「故障した車体を長年の経験と勘を頼りに分解して故障箇所を発見し、修理する」というようなイメージではないでしょうか。しかし、今では分解する前から修理する場所が把握できる仕組みになっているんです。
最近の自動車は一般的に『ECU』(Electrical Control Unit)と呼ばれるコンピュータからの指示を受けて動いていますが、その動作もECUによって逐一監視されていて、挙動もすべて記録されています。そして、ECUが車体に何らかの異常を検知するとその内容に応じてDTCが記録され、そのコードを見れば故障の内容が判別できる仕組みになっているのです。故障箇所を示すアルファベットひと文字と故障内容を表す4桁の数字で構成されるDTC には、世界共通のコードと各自動車メーカーがそれぞれ独自に設定しているものがあります。
ご存知かどうか分かりませんが、運転席のステアリングコラムやコンソールの周辺などにはDTC の吐き出し口として『DLC』(Data Link Connector)というコネクタが装備されています。
DLCにスキャンツールを接続すると車のバッテリーからの給電を受けて自動的に電源がオンになり、ECUが記憶しているDTCのデータがスキャンツールに表示されて故障の起こった場所と内容、さらにはその時の運転状態まですべて分かります。DTCの内容を参照して修理を済ませたら、ECUに記憶されているDTCを消去してから試運転で故障が発生した運転状態を再現する作業を繰り返し、ECUにエラーが記録されなくなれば修理完了です。先ほど申し上げたとおりメーカーごとにコード体系が異なりますし、ディーラーによって要求仕様が異なる場合もあるためスキャンツールにも特定のメーカーやディーラー向け、あるいは個別車種用の専用品から、ある程度汎用で利用できる市販品まで様々な製品が存在しており、私たちが開発しているのもそういったスキャンツールのソフトウェアなんです。

ビジネスルールの意味や理由を考える

受託センターには若いエンジニアが多いようですが、メンバーにはどのようなことを期待していますか?
園部さん
園部優太さん

私は「経験が浅いから」「新卒だから」という理由で仕事を限定するつもりはありません。もちろん経験やスキルを考慮して各自が『できる仕事』、もしくは『できそうな仕事』をお願いするようにはしていますが、いずれはメンバー全員が上流工程で活躍できるようになってもらいたいと考えています。
ただ、スキルは経験年数を重ねていくことで向上していく面がありますが、仕事の進め方なども含めたビジネスのスキル、マナーについては本人の心がけが大きく影響するように感じています。私はすべての物事に意味や理由があると思っていますが、ビジネスのルールにもまさに意味や理由があります。身近な例としてよく言われる「『ホウ・レン・ソウ』が大切」という話についても、ただ単に『報告・連絡・相談』をするだけで終わるのではなく、「なぜ『ホウ・レン・ソウ』が大切なのか」を考えることが重要ではないでしょうか。「どうして報告しないんだ!」「いえ、報告しましたが…?」というようなやりとりを聞いたことがある方は多いと思いますが、それはきっと話題には出したものの、本当の意味で『報告』ができていなかった結果ではないかと思います。
ビジネスの世界では、「経験が浅いから」ということで許される範囲には限りがあります。必要以上に失敗を恐れてはいけませんが、一人のビジネスパーソンであるという自覚を持って自分から主体的に意味や理由を考えながら仕事に取り組んでもらいたいですね。

統合を機に4社で情報共有し協力を

今年7月に技術系4社が統合しますが、統合に向けてお考えのことがあればお聞かせください。
園部さん
私は水戸支店内の開発センターで仕事をしていますが、実は他の事業会社の支店が近くにないこともありグループ各社との交流は少ないんです。ですから、統合に関してあまり実感が湧いていないというのが正直なところなのですが(笑)、グループ内の多くのエンジニアと情報交換を密にすることで知識やノウハウを吸収して、よりいっそう良い製品づくりに繋げられたらと思っています。
各社との連携とは少し意味合いが異なるかもしれませんが、グループ内の連携が役立った例としてテクノプロ・ラーニングからサポートをいただいたケースがありました。以前、Androidアプリケーションの受託開発を受注したのですが、当時はまだAndroid開発にそれほど慣れておらず若干の不安があったため、テクノプロ・ラーニングの講師に水戸支店に来ていただいて研修を定期的に実施してもらったんです。
そのおかげもあって無事に納品を完了することができ、その時に納品した製品は今でも静岡の病院で使われているそうです。そういった嬉しい話をさらに聞けるように、教育研修だけではなく技術面でも各社間で垣根のない連携をしていければと考えています。そのためにも、まずは情報を共有し、お互いの会社をよく知る必要があると思います。

園部さんのお話は『テクノプロ・グループ6つの約束』の第一の約束「主体性を持って業務に取り組みます」に相通じる内容だったように思います。園部さん、長時間にわたり楽しいお話をありがとうございました。