2020.10.06
《連載》テクノヒントオーディオ倶楽部~エンジニアが語るマニアックな音響世界~第二回ラズパイでハイレゾの再生を試みる
#オーディオ #ラズパイ #JAZZ #エンジニア #趣味 #ワークライフバランス
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2020.10.06
#オーディオ #ラズパイ #JAZZ #エンジニア #趣味 #ワークライフバランス
技術力を趣味に生かして人生を楽しんでいるエンジニアがいます。
テクノヒント オーディオ倶楽部~エンジニアが語るマニアックな音響世界~では、技術分野を活かしていかにして「音」を極めていくかを連載でご紹介します。
今回は半導体技術を持つテクノプロ・デザイン社の河村氏に、ラズパイを使ったハイレゾ再生システムをいかにして立ち上げたのか聞いてみました。
半導体開発技術者としてAV用半導体を開発。2000年台に7年間中国赴任。
現在は採用、教育研修などの業務を担当。
趣味はオーディオ、語学、マラソン(現在は休んでいます)
こんにちは。これから数回にわたって私が趣味のオーディオに関して紹介したいと思います。
私は1970年台中学生のころからオーディオと音楽が好きで、いろいろ装置を選んで楽しんできました。今回はその中で最近やっているPCやネットワークを使用したオーディオの話をします。
私は仕事の都合で2007年から2014年まで中国に赴任しておりました。中国に日本からオーディオ装置やレコード/CDを運ぶのも大変なので、現地ではPCに小さなスピーカーをつけてMP3ファイルをダウンロードして音楽を聴いていました。
2014年に日本に帰任した後も単身赴任だったので、赴任先ではPCに簡単な装置をつなぎ、iTunesでMP3または手持ちのCDをリッピングしたWAV(44.1kHz/16bit)のファイルを聴きました。正直この環境での音質には期待してなかったし、こんなもんだろうと思っていました。
ちょうどそのころオーディオ業界ではCDより高品位にデータを保存できるハイレゾファイルが話題になってきました。JEITAではCDスペックを44.1~48 kHz, 16bitと定義していて、これを超えるスペック、例えば44.1kHz/24bit, 96kHz/24bitなどのファイルをハイレゾと呼んでいます。
ハイレゾフォーマットを使うことにより従来 取りこぼしていた音楽情報をファイルに収めることができるようになりました。
オーディオ好きの私はハイレゾ再生を試してみたかったのですが、あまり高額のものは買えなくて躊躇していました。そうしているうちに会社の先輩がRaspberry piを用いたハイレゾ再生に関して教えてくれました。
コンピュータボードにLinuxをインストールしてDACを接続するとか、ハードル高そうと思ったのですが・・・。試しにやってみることにしました。
Raspberry pi(4000円くらい、私は友達にもらった)+
SDカード 4GB(使ってなかったものを流用)+
Volumio(Linux 無料)+
i2s DAC(Amazonで3000円)
トラブルが起きることを予想していたのですが、実費DAC代3000円と30分ほどの作業で再生環境のセッティングは終了で拍子抜けしました。
で、最初にCDからリッピングしたファイルを聴くと、とても音が良い。自宅の高級CDプレーヤー(1999年、定価25万円)と一長一短な感じ。
その後 本命のハイレゾを聴くとCD品質のファイルと比べて音が立体的で本物っぽい。技術の進歩を実感しました。ここで私が感じた技術の進化のポイントは
要するに、従来垂直統合メーカーによって作られていたオーディオ機器が、水平分業で安価に圧倒的高性能に実現できることに衝撃を受けました(wikipediaと似てますよね)。それで、自分のオーディオも、従来は重厚志向だったけど、方向性変えて行こうと思いました。
ハイレゾが聴けるようになったので、いろいろハイレゾソースを購入するようになりました。
購入サイトは日本ではe-onkyoとmoraというサイトが有名です、が、結構値段が高い。
海外にはもっと安くて品ぞろえのよいサイトがあります。
代表的なのがHDTracks。
ただし登録時の住所と購入時のIPで国を判断して、日本からは購入不可のファイルが非常に多い。アメリカから注文しているようにみせかけないといけないので少し利用のハードルが高いですが、今は日本企業の日本向けのサービスだけ利用していては時代遅れ(GAFAも全部外国)、この辺のリテラシーは必要ですね。
最初の音に感激した後は、もっといい音を求めていろいろ買いました。
特にi2s DACは3000円→5000円→10000円という風にエスカレートしていって(10000円でもオーディオ製品としては安い)、その後USB DACもいくつか試してみました。再生のSWやSoM/PCも変えてみました。
長期間にわたる比較の結果残ったのが以下。
Windows PC(あり合わせのもの)+
Audirvana(8000円)+
SMSL M500(42800円)
USB DACでつなぐとraspberry piよりもPCの方が音がよいみたい。チップ内部のバスの接続などが影響しているようだけど詳細は不明。
残った組み合わせはCDプレーヤーと比べて安くみえるけど、いろいろ買ったので実は莫大な浪費をしています。
現在使用中のUSB DAC M500は中国製。安っぽいしトラブルも多いけど気に入っています。
DACの比較サイトのデータをみるとSN、歪などは測定限界に迫る高性能。中国メーカーは製品数がすさまじく多いので、設計者が設計/量産化に慣れているのではないかと思います。
Raspberry Piは十分な計算能力を持ちながら安価で、さらにオーディオ用のインターフェースi2sを備えているので簡単にオーディオプレイヤーを作ることができます。
Raspberry Piを使う場合はSDカードにOSを入れて起動する必要があります。通常はRaspberry Pi OSという比較的多機能のLinux OSを以下からダウンロードして使います。
Raspberry Pi OSを使用しても音楽再生はできるのですが、音楽専用のLinux OSを使用する方が高音質になると言われています。その代表的なものがVolumioです。
Volumioを使用する場合は以下の手順でセットアップします。
Raspberry Piで音楽再生する場合Raspberry Pi上のミニジャックから音を出すこともできますが、高音質に聞くためには外部にDACを接続することが必要です。
DACの主なつなぎ方は2つ