論文に基づいた実験、入念な条件検討が必要な実験など、データを解釈し、臨機応変に進め方を考えなくてはならない、非定型的な研究にも幅広く対応いたします。
研究員の多くが、大学、研究機関で長く研究に携わってきたことから、高度なご要望にお応えできます。
様々な専門分野の研究員が協力しますので、分野横断/異分野融合的な研究にも対応できるのが我々の強みです。
1. 実験材料が欲しい
各種化合物を合成します。
化合物(既知・未知)の合成
<例1>
例1 重合性基含有イオン液体の合成
合成ルートを探索し、決定したルートにて重合性基含有イオン液体を合成する。
①テスト反応後、4級化本反応を2バッチで実施(10Lフラスコ)
②アニオン交換本反応を2バッチで実施(10Lフラスコ)
出発原料及び必要試薬は試験委託者よりご提供いただく。
各種ペプチドを合成します。
アセチル化、ビオチン化、リン酸化などの一般的な化学修飾ペプチド
環状ペプチド、デンドリマー等の構造が特徴的なペプチド
薬剤等の低分子化合物をコンジュゲートさせたオーダーメイドのペプチド
<例2>
例2 薬剤をコンジュゲートさせた酵素阻害活性ペプチドの合成
酵素活性阻害ペプチドのC末端側に特定の長さのリンカーを介して薬剤をコンジュゲーションさせたペプチドを合成した。
各種ホストの組換えタンパク質の発現、精製を行います。使用目的等に応じた、ホスト、タグ、精製方法などのコーディネートも承ります。また、生体試料からの単離精製も対応可能です。
組換えタンパク質の発現精製
●大腸菌
<例3>
●酵母
●昆虫(バキュロウイルス)
<例4>
●哺乳類細胞
●コムギ胚芽無細胞系
例3 大腸菌発現系を用いたHisタグ融合タンパク質の発現精製
大腸菌においてHisタグ融合タンパク質を発現させるプラスミドベクターを構築する。それを大腸菌に導入し、組換えタンパク質を発現させ、Ni-NTAアフィニティクロマトグラフィにより、目的タンパク質の精製を行う。
例4 昆虫細胞-バキュロウイルス発現系を用いた組換えタンパク質の発現精製
昆虫細胞においてバキュロウイルスを産生させるプラスミドベクターを構築する。それをSf9系細胞に導入し、組換えタンパク質/ウイルスを一過的に発現させ、最適発現条件の検討ならびに大量精製を行う。
生体試料からの内在性タンパク質の精製
<例5>
例5 動物臓器からの酵素精製
ブタ臓器から目的酵素を、その活性を指標として、加熱処理、硫安沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィーの組み合わせによって精製する。必要に応じて目的酵素の阻害剤を固定化したカラムを作製し、アフィニティークロマトグラフィー等も検討する。
遺伝子の情報と目的等の概略をいただけば、プラスミドの設計から構築まで行います。論文に基づいた挑戦的な設計、構築も可能です。
遺伝子編集用 (CRISPR/Cas9)プラスミド
ウイルスベクタープラスミド
<例6>
例6 出芽酵母内でのウイルスベクタープラスミドの構築
Nature 582: 561-565 (2020) の報告に基づき、出芽酵母内でDNA断片をつなぎ合わせ、感染力を欠失させたウイルスのゲノム (>20kb) をプラスミドとして構築する (ウイルスベクタープラスミド)。その後、酵母からDNAを抽出し、それを元に大腸菌を形質転換させ、ウイルスベクタープラスミドを抽出、精製する。
プラスミド導入、レンチウイルス感染等で目的に応じた細胞を作製します。CRISPR/Cas9システムを用いた遺伝子編集細胞の作製も設計段階から対応可能です。
遺伝子ノックダウン細胞
<例7>
例7 レンチウイルスベクターを用いた遺伝子 Knock down 細胞の作製
感染細胞にてshRNAを発現させる12種類のレンチウイルスベクター (試験委託者より提供)をそれぞれ、細胞株に感染させ、薬剤選択した (ベクターが安定導入された) 細胞を納品する。
2. 解析を行いたい
精製タンパク質を試料として、熱安定性、中長期の保存安定性、リガンドとの相互作用解析等を行います。酵素の活性測定系構築、X線結晶構造解析に向けた結晶化条件の探索も承ります。
熱安定性解析(DSF、DSC)
<例8>
例8 タンパク質の保存安定性の解析
DSF(示差走査フルオロメトリー)を用い、10種類のバッファー条件(pH、塩濃度、各種添加剤等)におけるタンパク質の変性温度Tmを測定し、最も熱安定なバッファー条件(保存に適するバッファー条件)を検討する。
細胞 (細胞株、初代培養細胞等) を用いた各種アッセイを計画、実施します。多様な細胞処理、解析が可能ですので、ご要望をお気軽にお知らせください。
増殖/細胞死
<例9>
例9 遺伝子発現のUV感受性に与える影響の評価
UV高感受性の細胞に、調製した4種類のレンチウイルスベクターを用いて遺伝子導入し、それらの細胞における導入遺伝子の発現をウエスタンブロットにて確認する。遺伝子導入細胞にUVを照射し、コロニー形成能の比較から、導入遺伝子のUV感受性に与える影響を評価する。
マウス、ラットの行動、遺伝子発現解析をベースにした薬効評価を行います。
行動解析 (オープンフィールド、強制水泳、モリス水迷路試験など)
薬効評価解析 (遺伝子発現、イメージング解析など)
<例10>
例10 薬効薬理試験
マウスに被験物質を投与し、標的組織を採材する。採材した組織から、染色後の3次元画像取得、標的遺伝子のmRNA解析(Real-Time PCR)、標的タンパク質の発現解析(ウエスタンブロット解析、ELISA)、酵素活性評価などを実施する。
3. 調査/コンサルティングをしてほしい
研究の過程で生じる様々な調査ニーズにお応えします。コンサルティング業務にも対応しますので、お気軽にご相談ください。
先行技術調査 (論文調査)
<例11>
例11 ある機能性成分の臨床試験に関する文献調査
PubMed検索によって関係する論文を検索し、ヒット文献について臨床試験の概要を纏める。
出願動向調査や権利範囲調査
<例12>
例12 不凍タンパク質の用途に関する特許調査
不凍タンパク質の用途に関する国内出願特許および国際出願特許を検索し、ヒットした特許をリスト化する。
4. 色々なこと、複雑なことをやりたい
材料の調製を行ったうえで、それを用いたアッセイ系を構築し、最終的に化合物の評価/スクリーニングを行うなど、最終目的までの各種実験をトータルでサポートします。
分野横断的な研究内容にも対応いたしますので、お気軽にお問い合わせください。
複合体タンパク質の発現精製
<例13>
例13 3量体組換えタンパク質の発現精製
ヘテロ複合体を形成する3種類のタンパク質を大腸菌で発現させるベクタープラスミドを構築する。それを大腸菌に導入、タンパク質を発現させ、Ni-NTAアフィニティクロマトグラフィ、陰イオン交換クロマトグラフィ、およびゲルろ過クロマトグラフィにより精製することでシングルピークの高純度タンパク質を調製する。
遺伝子編集細胞の作製と細胞の機能評価
<例14>
例14 遺伝子編集細胞の作製と細胞の機能評価
哺乳類細胞でのCRISPR/Cas9系遺伝子編集に用いる guide RNA の設計と評価する。それをCas9と併せて発現させるレンチウイルスベクターを調製し、その感染細胞での遺伝子編集を確認する。遺伝子編集細胞での薬剤応答性を遺伝子発現、細胞増殖等で評価する。
1,320,000円/月 (ただし、試薬代は別途請求)
タンパク質材料の調製とそれを用いたHTSアッセイ系の構築
<例15>
例15 組換えタンパク質の調製とそれを用いたタンパク質-タンパク質間相互作用アッセイ系の構築と化合物の評価
タンパク質AおよびBの結合をTR-FRET (時間分解蛍光-傾向共鳴エネルギー転移法)で評価する系を構築する。タンパク質Aについては、各種断片を大腸菌による組換えタンパク質として調製し、最も反応性のよい断片を選別する。構築した系を用いて、6化合物について、A/Bの結合阻害能とその濃度依存性を評価する。
3,300,000円 (スポット型のトータルとして)
抗体に対するコンジュゲーション条件の検討
<例16>
例16 抗体に対するコンジュゲーション条件の検討
抗体を断片化し、露出したCys 残基を介したチオールカップリングによってタンパク質をコンジュゲートする一連の流れにおいて、断片化の反応条件、還元剤の種類及び濃度、コンジュゲート条件の各ステップを最適化する。